「JICA海外協力隊」として、開発途上国のために経験を生かしませんか?

日本語クラスの学生とともに=写真中央が林さん
日本語クラスの学生とともに=写真中央が林さん
林ひさ子さん
林ひさ子さん

 JICA海外協力隊は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が展開するボランティア事業。現地の人々とともに開発途上国の課題解決に取り組むことを目的としています。開発途上国からの要請に見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む人を募集し、選考、訓練を経て派遣。任期は原則2年間で、これまで世界98カ国で5万人以上の隊員が幅広い分野で活躍してきました。今回は、日本語教師としてモロッコに派遣された林ひさ子さんに、活動について聞きました。

 

友人の言葉で参加を決意 66歳から2年間モロッコへ

 「応募のきっかけは友人でした」と話す林ひさ子さん。長年、私立高校で日本語教師として働いていた林さんは65歳を前に、今後の生き方を思案していたといいます。そんな時、友人から「知り合いが海外協力隊としてインドネシアへ行き、イキイキと活動している」と聞き「これだ!」と感じました。
 持ち前の行動力ですぐに説明会に参加し、選考にも見事合格。語学などの訓練を経て、2014年から2年間、モロッコの古都・フェズ市の大学へ日本語教師として派遣されました。
 現地でまず驚いたのは、英語やフランス語がほぼ通じず、暮らしはアラビア語中心だったこと。「フランス語の訓練を受けて行ったので、びっくりしました。お店の人がアラビア語しか話せなかったり、大学内の表示なども全てアラビア語で、道に迷うこともしばしば(笑)。そんな時は、受け持っていた日本語クラスの学生たちが助けてくれました。日本語だけでなく、アラビア語、英語、スペイン語など複数の言語を話せる優秀な学生が多かったんです」

 

帰国後は経験を生かして  「日本語クラブ」を立ち上げ

 派遣された大学では、月曜~金曜に90分の授業を計12コマ受け持ち、土曜は日本文化に関する授業を開くなど全力投球の毎日。そして、なんと2年目には、日本大使館やJICA、フェズ市、京都市も巻き込み、フェズ市と自身の出身地・京都市の「第一回歴史文化都市交流祭」を実現。大学や友人の助けも得ながら、2日間で1200人を動員し、両市の懸け橋として貢献しました。「どんな頼みごとも断らずにいたら、あちこちから声が掛かるようになり、大きな輪になっていきました。日本語教師としての派遣でしたが、自分次第で活動の幅を広げていけることに喜びを感じましたね」
 学生の中には日本へ留学した人、日系企業に就職した人もおり、来日した際に再会するなど、今でも関係が続いています。林さんは帰国後、経験を生かして京都を訪れる外国人観光客を対象に「日本語クラブ」を発足させました。「協力隊ではたくさんの経験を積み、人脈も広げることができました。あの時、参加を決断して本当に良かったです」とほほえみます。
 「行こうかな?と思った時がタイミング。経験豊富なシニア世代こそ、活躍できる場があります。ぜひ説明会へ参加し、一歩踏み出してみて!」

 

ブー・ジュルード門
フェズ市のシンボル「ブー・ジュルード門」を抜けると城壁に囲まれた旧市街が広がる

 2020年春の募集がスタート!
 募集は春・秋の年2回! 1カ月からの短期派遣制度も 

 JICA海外協力隊に応募できるのは20~69歳の日本国籍を持つ人で、募集期間は年に2回(春・秋)。活動分野は、農林水産、保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政など多岐にわたります。「自分の知識や経験がどんな仕事に生かせるのか分からない」という人も大丈夫。ぜひ説明会に参加してみてください。120種類以上の職種の中から、きっと活躍できる場が見つかるはずです。また、派遣期間は原則2年間ですが1カ月から参加できる短期派遣制度もあります。

 

※「JICA海外協力隊」詳細はこちらから https://www.jica.go.jp/volunteer/




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